夢の巨大3Dプリンターのねじ伏せ方!
さてさて、50cm角が出せる3Dプリンターが10万円ほどで出て喜び勇んで購入したわけですが、そんなに現実は甘くない。ねじ伏せる必要がありましたので知見を紹介しますねー。
*約15時間、速度優先のため、あご、肩に問題あり。額の線はフィラメント交換により。すごくない!15時間で等身大トルソーが出るって!
プリンタはこれ
Creality3D CR-10S (500 * 500 * 500)
https://www.amazon.co.jp/dp/B076HK684K/ref=cm_sw_r_cp_ep_dp_1ncDBbQZFC2DJ
最近はbonsailabさんでも取り扱いが
まず、この子の特徴ですが、
とにかくでかいものが出せる
につきます。
しかしですね、考えれば当たり前の問題が、、
5d、、、、5日ですね!
さらっとプリント時間が5日なんて真顔で言ってくるんです。
なので、今回の方針は
・おおむねまともに出せるようにする
・せめて1日でプリントが終えるようにする
の2点です。
1、おおむねまともに
というのもこのプリンタはいくつか問題を抱えています
・ボックスの位置によって、y軸のリミットスイッチのケーブルが抜ける
・ステージが広すぎて、ヒートベッドの中央と周辺の温度差が激しい、そもそも温度がそんなに上がらない、(それどころかなんかショートしてる気が。)
・Z軸がぶれぶれで、毎回Zのホーム位置が異なり、ファーストレイヤーが浮いたり、食い込みすぎたり
・フィラメントどうする?
まずはY軸リミットスイッチのケーブル
ボックスの位置によりステージの稼働によりリミットスイッチのケーブルが抜けます。これについては、「ボックスの位置をいい感じにしてください。」
以上です。
次、ステージが広すぎて中央と周辺の温度差が激しい問題
ヒートベッドを温めて「1時間待ってください、3時間以上だとベストです 」
以上です。
次、そもそもヒートベッドの温度がそんなに上がらない
どんなに待っても80度前後です、ABSはあきらめましょう。
もし温度にこだわるようでしたら、こんな力業があるようです。(取り寄せ中)
*なんかショートしてる気が、については、
・造形中に温度が下がる
・Heatbedの端子が熱い、きな臭い
などなどより、そんな気がしまして調査中です。。皆様お気をつけください
Z軸ぶれぶれについては、「ねじを増し締めしましょう」
以上です。
Z軸の持たせ方的にそういう設計もあるかな?と放置していたのですが、あまりにもひどいため増し締めしたところ、Zホームが毎回違う問題は解決され、造形品質も変わらないためおそらく大丈夫と考えます。Youtubeで見た海外のおやじさんに言わせるとステージも信用ならないので一度ばらして増し締めしな、とのこと。
(写真準備中)
フィラメントどうする?
あんまり試してないのですが、ABSはものすごく反って厳しいです。ベッドの温度が上がらず、さらに大物造形物ですと収縮がどんどこ溜まり進んでいくのでまったく向いてないと考えます。よってPLAですが、後加工をどうしてもしたいので削れるPLAを探したところこれ。現状いい感じですがもっといいのがあるかもしれないのでぜひぜひ教えてください。
三菱ケミカルメディア Verbatim 3Dプリンター用 フィラメント PLA
https://www.amazon.co.jp/dp/B00SZDBAA8/ref=cm_sw_r_cp_ep_dp_hrcDBbVFF6Y9M
さあ、長くなってきていろいろありそうで大変に思えますが、、、こんなもんです。
夢の巨大3Dプリントを実現できるなら、、椅子も作れるしー、等身大トルソーも作れるしー、大物ロボットも作れるしー、、最高ですね!
次行ってみましょう!!
2、せめて1日でプリントが終えるようにする
スライサーに任せると当たり前に単位が、時間から日になります。
ワンミスが痛すぎて少なくとも仕事には使えません。
よって1日で結果が出るように進めます。
アプローチは
・ノズル拡大
・スライサー設定調整
です。
まずノズル拡大
通常は0.4mmです。
私は現状、0.8mm or 1.2mm で行っています。
なんでもいいのですが、千石でも売っているのでこれであけてます
https://www.amazon.co.jp/dp/B001S7M660/ref=cm_sw_r_cp_ep_dp_rtcDBbWC4PXS6
ノズルも、この形ならなんでもいいです
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01I8WVJSI/ref=oh_aui_detailpage_o09_s00?ie=UTF8&psc=1
拡大方法は、精密にやってもいいのですが、ハンドドリルで裏からガー、で十分です。8mm、1.2mm、直で大丈夫です。少々バリが立つのでその辺の細かめ適当やすりで軽く落としてください。
(ちなみにですね、以前袋ナット削って、数多のノズルを作って実験していたのです。シャワーヘッド型、マイナス平型、テーパー型やらなんやら。その中で面白かったのがノズル先端のエッジの立たせ方でして、やすって丸くするといいかと思って丸くするのですが、なんというかフィラメントが逆にノズルにくっついてくるんです。ベッドに押し付けたフィラメントを側面の丸みが表面張力的にすくっていくような。。なので軽く落とす、の意味は穴のエッジはある程度立たせたままでバリだけ取るのがおすすめです。)
次にスライサー設定調整
私は、Simplify3Dを使っていますが他のでも大丈夫だと思います。きっとCuraとか。
こつは、
・Retract、リトラクト無し、糸引きは無視
糸引きしないようにするリトラクトですが、0で。糸引きはしますが造形後に切ればいいので気にしないで行きましょう。
*書きながら思ってみると、もしかしたらリトラクトあってもうまくいくかもしれませんのでぜひトライください。
・なるだけワンパス、一筆書きで(行ったり来たりしないでぐるーと回る感じ)
私はinfillを0にしshellを1や2や10など、shellのみで造形をすることが多いです。
Simplifi3Dですと、Vase modeというのがありまして、要はつぼモードです。
映像のような作り方なのですが、shellが1(壁が1枚)で表層の1枚のみを縄文土器のように積み上げてくれます、Z軸移動時のシームが発生せず、Z軸移動がスムースになります。設定や造形物の指向がはまるとまあ早く造形物が完成する裏の手です。
もちろんすべての立体物に当てはまる物ではないのですが、この指向に近いほど、この巨大で太ノズル3Dプリンタでは成功率と速度が高まります。
(極論、この指向に合わせたモデルづくりができると相性が良いとも言えます。つぼ的に作れるところはこの巨大プリンタで作り、つぼの邪魔になる留め具などは他のプリンタで作り、のちに合わせるなどの設計がおすすめです)
・Layer Heightは低め
ノズルが1.2mmだから、レイヤーのZ間も高くして速くするんだ!
と行きたいところだったのですがあんまりうまく行きません。
通常は0.3mmほどなのですが、0.4mm or 0.5mmほどがいい感じです。
0.7mmなどもやってはみるのですが、サポートつけなきゃ落ちちゃうとか、土器風になって(それはそれで面白い)しまって後加工が大変などの弊害が出てくるので低めがおすすめです。
さあ、いかがでしたでしょうか。
まだまだあるといえばあるのですが、細々すぎて言語化が難しいです。
一つ付け加えると、ファーストレイヤーは見てよう!です。
ここまでやってもノズルとベッドがしっくりこないことが多いこのプリンタ。
ファーストレイヤーは目で見ながら、4点の調整ノブをちょいと変更しながらしっかりと食いついているのを見届けるのがいいでしょう。
さあ、でっかいの何出しましょうね!!
こうしたらうまく行った、こんなん作ったなどぜひ教えてくださいね!!
*追記
そういえばこのプリンター、造形中にボックスのつまみを回し速度を変えられます。物にもよるしスライサーでも変わるので一概に言えませんが、115%~135%ぐらいは品質もあんまり変わらないので上げてます。場合によっては、200%や400%までは使ったりも。観察してトライしてみてください。
*さらに追記
このプリンター、前述のようにHeatBedの温度があがるのがとっても時間がかかります。コールドスタートで60度なんて設定したら10分ほど動きません。ですので、本体ボックスつまみから、温度をいじって、とりあえず現在のBedの温度に合わせてBedのターゲット温度を変更し(現状が42度でスライサーのターゲットが65度だったら、つまみから42度に一旦して)とりあえず造形をはじめてもらいます。その後Bedのターゲットを65度に戻し造形を続けます。
*さらにさらに追記
造形途中のフィラメント交換時、フィラメントセンサでプリンタが止まってる状態。普通だとつぎ足すのですが 、ローダー先のフィラメント穴になかなかフィラメントが入らずパニクってる間に1レイヤー抜けちゃったりします。それをふせぐため、まずは残ったフィラメントを抜いて、新しいフィラメントをノズルまで伸ばし少々出し、造形継続を行いましょう。慌てず、レイヤー抜けも防げるのでおすすめです。